車を購入して約1か月が経ちました。
EV車を購入したのを知っている方から
EVって、結局どうなの?
って質問を受けます。
まだまだ日本では使っている人少ないですからね・・・
聞きたい気持ちはわかります。
維持費は本当に安いのか。
航続距離で不安にならないのか。
そして何より、高い買い物をして後悔しないか。
私も、少し前まで同じ感じでした。
そこで今回は1か月使ってみての感想を実体験と数字で正直にお話しします。
EVを検討している人の参考になれば幸いです。
なぜ私は「テスラから始まって、テスラを買わなかった」のか
EVへの興味の入り口は、多くの人と同じくテスラでした。
あの加速、巨大なタッチスクリーン、ソフトウェアで進化していく車という思想。
完全に未来そのものに見えたのです。
さらに多額の補助金・・・
株をやっている人が乗ってみたくなる車No1でしょう。
行動範囲にディーラーも出来たので実際に試乗しました。
加速は噂どおり、内臓が置いていかれるような体験でした。
操作も近未来感。
完全自動運転にもひかれる・・・
ところが、運転席に座る前から私の中の熱はすっと引いていました。
内装が国産車の安物レベル
理由は、内装です。
価格に対して、内装の質感が想像より素っ気なかったのです。
正直に言うと国産車の安めの車と同レベルに感じてしまったのです・・・
もちろん「シンプルさこそ美しい」という思想は理解できます。
ですが、私が片付けたかった「用事」は、未来のガジェットに乗ることではありませんでした。
毎日触れる空間として、心が満たされるかどうか。
だから私は、スペック表の数字ではなく、毎日の満足という見えない価値を選びました。
EV選びは他の車と違って加速性能とかバッテリーの大きさなどスペックの比較表を眺めている人は多い。
けれど、本当に効いてくるのは「毎日、その空間に身を置きたいか」という、数字に出ない問いなのです。
買ったのはMINI CooperSE
そんな私が選んだ車はMINI CooperSEです。
選択したのは前々代がMIN Cooper。前代がMINIクロスオーバーとMINIを乗り継いできたというのもありますが、EV車の中で内装が圧倒的に素敵だったというのが大きいですね。
テスラとCEV補助金を含めて考えると同価格帯(テスラの方が補助金額がだいぶ多い)ですが、内装は段違い。
その分、バッテリー容量などのスペックはテスラと比べて負けているのですが・・・
ちなみにMINIには他にもEV車としてカントリーマン(SUV)とかエースマン(5ドア)という選択肢もありましたが、外装が好みではなかったため、選択肢から外しました。
1か月乗って実感した「EV 満足」の正体
それでは、実際に乗り換えて1か月。
満足しているか。正直にお答えします。
満足しています。
ただし、その満足の中身は、乗る前に想像していたものとは少し違いました。
乗る前に期待していたのは「加速」や「先進性」でした。
けれど、1か月後に私が一番ありがたみを感じているのは、もっと地味なものです。
静粛性
1つ目は静粛性
エンジン音がないというのは、カタログでは1行ですが、日常では毎日効いてきます。
アクセルを踏んだ瞬間の、あの滑らかでなめらかな出だし。
信号待ちの完全な静けさ。
ガソリン車にあるようなアイドリングやアイドリングストップなんて概念もないんですよ。
これは慣れると、もうガソリン車には戻りにくいと感じる種類の快適さです。
給油からの解放
もうひとつが、給油という行為からの解放です。
これが想像以上でした。
暑い日中にガソリンスタンドに寄る必要がない。
スマホを充電するようにケーブルを挿すだけ。
翌朝には満タン。
この「ガソリンスタンドに行かなくていい」という体験は、乗ってみるまで価値が分かりませんでした。
ただし、ここで誠実にお伝えすべきことがあります。
EVの航続距離は、カタログ値を鵜呑みにしてはいけません。
想像の7割程度に見積もっておくのが現実的です。
私の車はカタログスペックでは最大走行距離446Kmですが、実際の航続可能距離は外気温やエアコンなどの利用に大きく左右されます。
うちではバッテリーを長持ちさせるために普段は上限を80%充電にしているのもあり、充電後の車両表示の航続可能距離は今の時期で300〜320Kmくらいとなっています。
それでも私が不安にならない理由は、後ほどお話しする「家」の条件にあります。
「EV コスパ」の真実。数字で見ると、こうなる
さて、実際に購入を検討している方が興味あるのはここでしょう。
EVは本当にコスパが良いのか。
感想ではなく、実際の数字でお話しします。
実際の燃料費
まず燃料費。
これは明確にEVが有利です。
うちのMINI CooperSEの1か月走っての実際の燃費は8.2km/kWh
同車種の平均でも7.8km/kWhとなっています。(どちらもMINIの専用アプリで表示される実際のデータ)
電気代は夜間割引なら1kWhにつき16.5円くらい。
晴れてる日に太陽光で充電する場合は、売電分が減る形なので1kWhにつき16円(売電額は契約のタイミングによる)
どちらも同じくらいですね。
つまり、だいたい16円で8Km走れるってことですね。
1kmあたりのコストは2円
ガソリン車だと燃費の高いと言われるプリウスで実測値は26km/Lくらいと言われています。
ガソリン価格は変動してますが、リッター170円として1kmあたりのコストは6.54円です。
まとめると以下の計算となります。
| 車種 | 燃費・電費 | 単価 | 1kmあたり | 100kmあたり |
|---|---|---|---|---|
| MINI Cooper SE | 8km/kWh | 夜間電気代16円/kWh | 2.0円/km | 200円 |
| プリウス | 26km/L | ガソリン170円/L | 約6.54円/km | 約654円 |
つまり、この条件ならMINI Cooper SEの走行コストはプリウスの約31%です。
逆に言えば、プリウスの約3分の1弱の燃料費で走れる計算ですね。
その他維持費
まだ1か月でお世話になっていませんが、その他の車両維持も価格差があります。
例えば今、不足して話題になっているエンジンオイル。
EVはそもそもエンジンがないので不要なんですよ。
また、バッテリーもEVは基本的に交換不要です。
さらにEVは基本的に回生ブレーキという仕組みで止まるので、ブレーキ関連の部品の消耗は少ないと言われています。
自動車税でも優遇があります。
つまり、その他維持費もEVにメリットが有るのです。
ここまで読むと「やっぱりEVは得じゃないか」と思われるかもしれません。けれど、ここに巧妙な落とし穴があります。
これらの試算には、ほぼ例外なく前提条件が隠れているのです。
見逃されている前提。「EV デメリット」はここに潜む
数字のマジックを解いていきましょう。
EVが圧倒的に安く見える計算には、たいてい2つの前提が隠れています。
第一に、自宅充電が前提であること。第ニに、深夜電力など割安なプランもしくは太陽光を使えること。
この前提が崩れると、コスパは一気に揺らぎます。
外出先の急速充電は割高なんですよ。(それでもガソリンよりは安いですが)
頻繁に外出先の急速充電を使う場合は燃料費の節約効果が小さくなり、自宅充電をメインにできるかどうかがEVの経済性を左右する大きな要因になります。

さらに、長期保有では見過ごせないリスクもあります。
バッテリー劣化です。
バッテリー交換費用は数十万〜100万円以上かかる場合があり、多くのメーカーは8〜10年・16万km程度の保証を提供しているとされています。
そして、税制も「今のまま」とは限りません。
今後、EVとPHVに対して特例加算が導入され、2028年度以降はEVの車両重量に応じて自動車税の負担も増える見通しと報じられています。
EVはガソリン車より重いので、これは無視できない論点です。
今のコスパ計算が、数年後にそのまま通用する保証はないのです。
EVのコスパは「家のインフラ」が決める
ここまでの数字と前提を組み合わせると、世間でよく語られる「EVは得か損か」という問いそのものが、少しズレていることが見えてきます。
正しい問いは、こうです。
あなたの家は、EVを安くする家か
考えてみてください。
同じEVに乗っても、自宅で深夜電力を使って充電する人と、外出先の急速充電に頼る人とでは、燃料費が倍以上変わります。
後者は節約効果がほとんど消えてしまう。
同じ車、同じ走行距離なのにです。
これは投資の世界でいう
「同じ商品でも、保有する器(口座)で手取りが変わる」構造とよく似ています。
NISAという非課税の器に入れるか、課税口座に入れるか。
商品は同じでも、最終的なリターンは器で大きく変わる。
EVにおける「器」とは、自宅充電環境のことなのです。
だからこそEVを検討するとき、最初に見るべきは車のカタログではありません。
自宅に充電設備を置けるか、深夜電力プランを契約できるか、という「足元のインフラ」です。
ここがYESなら、EVのコスパは本物です。
ここがNOなら、どれだけ高性能なEVを選んでも、数字の魔法は効きません。
私の場合は、自宅に充電用のコンセントを設置しました。
だから航続距離にも、コスパにも不安がない。家で「満タン」にして出かけられるからです。
逆に言えば、もし自宅充電ができなかったら、私はおそらくEVを選んでいませんでした。
まとめ
EV車に乗り換えて1か月。
私の感想は、かなり満足です。
特に、自宅充電できるなら維持費は圧倒的に安いと感じます。
給油の手間がなくなり、静かで、加速もスムーズ。日常使いではかなり快適です。
一方で、EVのデメリットも明確です。
充電に時間がかかる。
長距離移動では計画が必要。
外部充電が多いとコスパが落ちる。
冬は電費が落ちやすい。
車両価格はまだ高め。
自宅充電できないと満足度が下がりやすい。
つまり、EVは「誰にでも得な車」ではありません。
しかし、条件が合う人にはかなり強い選択肢です。
投資と同じで、重要なのはブームに乗ることではありません。
自分の生活に合うか。
トータルコストで納得できるか。
長く使えるか。
不便な部分も理解したうえで選べるか。
ここを確認したうえで選ぶなら、EVはかなり満足度の高い買い物になると思います。
私自身、1か月乗った時点では「EVにしてよかった」と感じています。
ただし、それはEVが万能だからではありません。
私の使い方に合っていたからです。
これからEVを検討する方は、まずカタログではなく、自分の生活動線を見てください。

