MENU

支援機関により採択率に大きな差も。事業再構築補助金の結果を分析

事業再構築補助金の結果を分析してみた

補助金額の大きさや新しい趣旨であることから注目された「事業再構築補助金」。

第一回の採択結果が発表されました。

今回の事業再構築補助金はかなり詳細なデータも合わせて公開されています。

事業再構築補助金のセミナーで第一回の採択結果の分析を話す予定になっていますので集計してみたのですが、かなり興味深い結果となっていましたのご紹介します。

採択率に支援機関で大きな差があったり、地域ごとにもかなり差があるんですよ。

今回は事業再構築補助金の採択結果を詳しく見てみましょう。

今後申請をする際の参考になりますよ。

なお、事業再構築補助金ってなんだけ??って方はこちらのページから御覧ください。

あわせて読みたい
事業再構築補助金の概要と申請時のポイントを解説 最近、事業再構築補助金と一時支援金に関してのお問い合わせが異様に多いです。 最大1億円というものづくり補助金と比べてかなり金額が大きいことで注目が集まっている...
目次

事業再構築補助金の採択率を分析

まずは採択率から見ておきましょう。

なお、ソースはすべて事業再構築補助金のWEBサイトでの公開資料からとなります。

https://jigyou-saikouchiku.jp/

通常枠の採択率は30.1%

件数中小企業等中堅企業等合計
応募件数16,8977116,968
申請要件を満たした件数14,7836014,843
要件を満たした割合87.5%84.5%87.5%
採択件数5,092125,104
採択割合(応募件数)30.1%17%30.1%
事業再構築補助金 通常枠採択率

通常枠の中小企業と中堅企業を合わせた応募件数は16,968件、採択件数は5,104件で応募件数からみると採択率は30.1%となりました。

注目なのは書類不備等で要件を満たしていない件数が異様に多いことです。

12.5%が申請要件でそもそもはねられているのです。

この書類不備等で申請要件を満たしていないというのが、純粋な書類不備なのか、事業再構築指針に合致しないケースも含めるのかは不明です。

ただ、純粋な書類不備だけでそんなにあるとは思いにくいですけどね・・・

特別枠の採択率は55.3%

件数中小企業等中堅企業等合計
応募件数5,167145,181
申請要件を満たした件数4,315114,326
要件を満たした割合83.5%78.5%83.5%
採択件数2,85972,866
採択割合(応募件数)55.3%50%55.3%
事業再構築補助金 特別枠採択率

特別枠の中小企業と中堅企業を合わせた応募件数は5,181件、採択件数は2,866件で応募件数からみると採択率は55.3%となりました。

通常枠と比較するとかなり高い採択率となっています。

これはおそらく特別枠に導入されている2つの加点項目の影響が大きいものと思われます。

それもあるのか事業再構築補助金2回目の公募からは補助金額1,500万円以下の場合は10ページしか記載できないというルールが追加されていますね。

これは特別枠だけ採択率が高くなってしまうのを防ごうという意図がある気がします。(ページ数書いたほうが審査を考えると有利に働きやすいと思われる)

あわせて読みたい
事業再構築補助金第2回の公募始まる。第1回との違いを解説 だいぶ当初の予定より遅れていましたが、5月26日より事業再構築補助金の2回目の申請受付が始まりました。 事業再構築補助金は今回がはじめての補助金ということもあり...

また、こちらも要件を満たしていない件数が16.5%とかなり多くなっていますね。

中小企業卒業枠の採択率は56.3%

件数中小企業等
応募件数80
申請要件を満たした件数69
要件を満たした割合86.3%
採択件数45
採択割合(応募件数)56.3%
事業再構築補助金 中小企業卒業率

中小企業卒業枠は応募が80件、採択が45件とこちらも56.3%と高めの採択率となっています。

要件を満たさなかった割合はこちらも高く13.7%ありますね。

応募は意外?とすくなったですね。

V字回復枠の採択率は50%

件数中堅企業等
応募件数2
申請要件を満たした件数1
要件を満たした割合50%
採択件数1
採択割合(応募件数)50%
事業再構築補助金 V字回復率

V字回復枠は申請のハードルが少々高かったこともありますが、応募が2件。

申請要件を満たしたのが1件で採択も1件という結果でした。

つまり、要件を満たした企業は100%採択されたってことですね。

狙い目だったのかもしれませんし、偶然そういう数字になったのかもしれませんが・・・

事業再構築補助金全体の採択率は36.1%

件数合計
応募件数22,231
申請要件を満たした件数19,239
要件を満たした割合86.5%
採択件数8,016
採択割合(応募件数)36.1%
事業再構築補助金 採択率

すべて合算すると応募件数22,231件。採択が8,016件。採択率が36.1%となりました。

事業再構築補助金は予算がかなり大きい補助金であるため採択率が高いとも予想されていましたが、応募も多かったため意外と採択率が抑えられた印象ですね。

ものづくり補助金などと比較してもかなり低い数字となっています。

事前に出てた中小企業庁経営支援部部長の話では「厳しく見ると8割落第しそうな勢い」とおっしゃってましたので妥当な水準なのかもしれませんが・・・

業種による差が顕著:製造業強し

もう一つ注目が業種による差です。

製造業が強い形となっています。

応募件数ベース

事業再構築補助金業種別応募数
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果についてより

応募件数ベースでみると製造業が23.2%、宿泊業・飲食サービス業が18.0%、卸売業・小売業が14.9%と続いています。

採択件数ベース

事業再構築補助金業種別採択数
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果についてより

しかし、採択件数でみると製造業が31.7%、宿泊業・飲食サービス業が21.8%、卸売業・小売業が12.4%と大きく違うのです。

これは製造業はものづくり補助金など他の補助金も含めて申請に慣れていたり、わかりやすい訴求しやすいことも影響しているでしょう。

業種ごとの採択率は公表されていませんが、逆算して推測すると製造業の採択率は50%近いですね。

また、宿泊業・飲食サービス業は新型コロナの影響を受けて特別枠の対象となったところも多いでしょうから採択率は高くなっていると思われます。

こちらも逆算して推測すると43%くらいとなります。かなり高い数字となっています。

対して卸売業、小売業はおおよそ30%の採択率、最も低いのは不動産業、物品賃借業の19%ですね。

業種でこれだけ差があるというのは補助金申請の慣れや事業再構築のしやすさなんかも影響していそうです。

都道府県による違いも大きい:九州の採択率が低い

また、都道府県による差も結構出ています。

事業再構築補助金都道府県別の採択状況
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果についてより

この資料だけでは採択率まではわかりませんのでこちらで計算してみました。

都道府県別の事業再構築補助金採択率

都道府県応募件数申請要件を
満たした件数
申請要件を
満たした割合
採択件数採択割合
(応募件数)
北海道78667285.4%27635.1%
青森927379.3%3032.6%
岩手988687.8%4343.9%
宮城23620988.6%8435.6%
秋田847083.3%4047.6%
山形18015385%7139.4%
福島17315187.3%6135.3%
茨城36331887.6%14038.6%
栃木24922389.6%10743.0%
群馬35730786.0%15042.0%
埼玉61452485.3%24039.1%
千葉48040985.2%19240%
東京3,7893,21684.9%1,20531.8%
神奈川91478385.7%34537.7%
山梨17415589.1%7241.4%
新潟33230190.9%13239.8%
富山21219491.5%9142.9%
石川30526386.2%12842.0%
福井20918086.1%7535.9%
長野50144689.0%20641.1%
岐阜45240790.0%19442.9%
静岡67460489.6%22833.8%
愛知1,6921,47787.3%64237.9%
三重27424790.1%10237.2%
滋賀32528387.1%11234.5%
京都83471785.9%29635.5%
大阪2,1841,90087.0%75234.4%
兵庫1,03190187.4%37236.1%
奈良27822580.9%10638.1%
和歌山17716191.0%7642.9%
鳥取725981.9%2839.0%
島根837590.4%2934.9%
岡山35832390.2%17047.5%
広島41636688.0%16238.9%
山口17915687.2%5933.0%
徳島13812993.5%4532.6%
香川30126287.0%9431.2%
愛媛24521487.3%8133.1%
高知766990.8%3647.4%
福岡92178585.2%32635.4%
佐賀1139987.6%5044.2%
長崎16213382.1%4527.8%
熊本31126183.9%9831.5%
大分18515382.7%4725.4%
宮崎16313380.1%4628.2%
鹿児島19216485.4%5729.7%
沖縄24720382.2%7530.4%
合計22,23119,23986.5%8,01636.5%
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果を元に著者作成

かなり大きな地域差があるのがわかりますね。

最も採択率が高いのは秋田県の47.6%です。逆に最も低いのは大分県の25.4%。

22.2%もの差がありますね。

審査の問題なのか、そもそもの書類(支援機関の問題?)なのかわかりませんが馬鹿にできないレベルです。

申請要件を満たした割合もかなり差がでていますね。

青森は79.3%しか要件を満たしていませんが、徳島は93.5%とかなり高くなっています。

ここでも差が14.2%も出ています。

また、九州は採択率が20%台の県が多くなっているのが気になります。他の地区には一つもないんですよ。

ブロックごとに審査して、九州の審査だけ厳しかったとかなんですかね?

それでも佐賀県だけは採択率が高いのは説明できませんが・・・

ちなみに私が住んでいる岐阜県も採択率高めですね。

ご支援させていただいた企業様はすべて採択されましたので多少は貢献できたかな・・・

(※丸投げのご依頼はお断りしております)

認定支援機関による差も・・・

今回の事業再構築補助金は認定支援機関と一緒に事業計画を立てるのが条件となっています。

そのため、認定支援機関毎の採択率も発表されています。

こちらも興味深い結果になっています。

事業再構築補助金認定支援機関別の採択状況
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果についてより

こちらもこの資料だけでは採択率まではわかりませんのでこちらで計算してみました。

事業再構築補助金認定支援機関別採択率

認定支援機関応募件数申請要件を
満たした件数
申請要件を
満たした割合
採択件数採択割合
(応募件数)
銀行36131286.4%13236.6%
地銀3,9033,48189.2%1,60441.1%
信用金庫3,2952,87287.2%1,29739.4%
信用組合25422488.2%9236.2%
その他金融機関27223887.5%10538.6%
税理士3,1632,66784.3%81625.8%
税理士法人2,5082,17286.6%72729.0%
公認会計士71962086.2%21630.0%
商工会1,4371,22985.5%52636.6%
商工会議所2,0881,70981.8%72434.7%
中小企業診断士1,1951,05388.3%51543.1%
行政書士12210182.8%3327.0%
民間コンサルタント会社2,0791,83888.4%87542.1%
一般社団法人11810387.3%4437.3%
公益財団法人24321889.7%13656.0%
コンサルタント14412687.5%5638.9%
その他33027784.0%11835.8%
合計22,23119,24086.5%8,01636.5%
出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金第1回公募の結果を元に著者作成

最も高い採択率だったのが公益財団法人です。

56%というかなり高い採択率となっています。

各県にある産業支援機関なんかが含まれます。

岐阜県なら岐阜県産業経済振興センターですね。

この手の団体には大手企業OBや県庁OBなんかの事業計画作成に慣れた方たちが多く在籍していますのでこういう結果になったのだと思われます。

次いで中小企業診断士、民間コンサルタント会社、地銀(地方銀行)の採択率が良かったですね。

このあたりまでは採択率4割超えですからなかなか頑張っていると言っても良いでしょう。

逆に採択率で苦労したのが税理士、税理士法人、行政書士です。

申請は多かったのですが、採択率は税理士が25.8%、税理士法人が29%、行政書士27%と苦労しています。

私も20代のころ、会計事務所で働いていましたので感覚はわかります・・・

事業計画作成支援も慣れてないでしょうから仕方ない部分もあるでしょうね。

※なお、この集計は認定支援機関による確認書の提出者によるものとなります。

実際に事業計画作成支援したのはまた別といったケースも多いです。

特に金融機関や公的支援機関などは中小企業診断士や民間コンサルタント会社などに外注してるけど認定支援機関としては自分のとこのものとして提出しているケースもあります。

また、3,000万円以上の申請の場合は金融機関の確認書は必須ですから、実は認定支援機関は2箇所あり金融機関は実質名前だけ的なケースも多そうです。

ですから参考程度に考えてください。

まとめ

今回は事業再構築補助金第一回の採択結果についてみてきました。

事業再構築補助金の募集は今後も続きますので今回の結果を今後の参考にしてみてくださいね。

なお、当事務所の補助金支援の内容及び料金については以下の記事を御覧ください。

丸投げ申請等の以来は承っておりません。

あわせて読みたい
補助金支援の内容、料金などについて 河合中小企業診断士・社会保険労務士事務所では事業再構築補助金やものづくり補助金等の補助金支援についての方針は以下の通りとなっております。 【補助金支援の内容】...

最後まで読んでいただきありがとうございました。

「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、金融系WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

目次
閉じる