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小泉進次郎議員たちの提唱する「こども保険」ついて私の思うところ

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先日こどもの日もあったからか小泉進次郎議員の提唱する「こども保険」についての議論が活発化しています。賛成する声、反対する声など様々なものが新聞、ブログなどで出ています。私はあまり政治の話をオープンにすることはありませんが、今回はちょっと気になる点が多かったので私からの意見も含めつつこの「こども保険」について考えてみたいと思います。

目次

小泉進次郎議員たちの提唱する「こども保険」とは


「こども保険」とは次の日経新聞にあるように社会保険を事業主、勤労者それぞれ0.1%ずつ、自営業者は月160円(国民年金?)引き上げてそれを財源として3400億円を確保。それを小学校就学前の全幼児(約600万人)に年6万円を給付する制度。最終的には事業主、勤労者それぞれ0.5%ずつ社会保険料を引き上げ自営業者は月830円(国民年金?)引き上げて財源として1兆7000億円を確保し現行の児童手当と合わせて、幼児教育の実質無償化が実現するのを目標とするそうです。

幼児教育の無償化を実現するための新たな構想。小泉氏ら自民党若手議員でつくる小委員会が3月にまとめた提言に盛り込んだ。勤労者と事業者の保険料率をそれぞれ当面0.1%引き上げ、自営業者などの国民年金加入者には月160円負担を求める内容だ。社会全体で子どもを支えるとの理念に基づくが、負担増となる企業や勤労者からは反発も予想される。出所:日経新聞

「こども保険」に違和感を感じる理由


そもそも保険とは

この制度の是非はひとまず置いといて少し気になるのがこども保険という名前です。保険とは下記のことを言います。

保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度で、私たちを取りまくさまざまな事故や災害から生命や財産を守る為のもっとも合理的な防衛策のひとつです。出所:日本損害保険代理業協会

簡単に言えば将来起こるかもしれないリスクを少しでも回避するためみんなでお金を出し合って備えましょうよ。ってことです。しかし、そもそも今回の「こども保険」この定義にはあっていないのです。例えば同じ社会保険に健康保険があります。これは将来怪我や病気になって医療費がかかる可能性があるのでそれに備えてみんなでお金をちょっとずつ集めますね。ってことですのでこの定義に当てはまってます。しかし、「こども保険」は子供を育てる人を助けるためにみんなでお金をちょっと集めますね。です。そもそもリスクの回避という概念ではないのです。子供を産むことは自分で選択できますからリスクとはちょっと違います。仮に子供を産むことがリスクだと考えたとしても、もう産めない年齢の人からすると全くリスク回避の概念に当てはまりません。そのため、そもそも保険という名前をつけることが疑問です。



こども保険と児童手当との違い

こども保険と児童手当の違いは財源にあります。こども保険は、事業主と勤労者、自営業者から集めたお金が財源となります。児童手当は国、地方、事業主からとなっています。事業主は子ども・子育て拠出金っていう名目で徴収されています。つまり、児童手当は税金と事業主が払ったお金が財源ということです。こども保険には税金が入らず、勤労者と自営業者が入るという違いです。

もし、今回のこども保険も財源が欲しいならば子ども・子育て拠出金で追加で徴収すればいいと思うのです。(子ども・子育て拠出金は事業主が全額負担)また、給付の金額を増やすだけならばわざわざ児童手当と別の制度を設ける必要はあるのでしょうか?国民から取りたいにしても復興税みたいに税金として納めた方が納得性が高いと思うのです。

保険ではないものに保険とつけることにとても違和感を感じています。

 

金額と給付内容と効果

年間6万円ですから月5000円です。小泉進次郎議員たちは子供が宝。子供を増やさないと未来はないとおっしゃってます。その通りです。しかし、月5000円もらえたからって子供増やす人いるのか?疑問です。またお金として給付するところにも疑問があります。幼児教育にかかるお金を現物給付として支給するならまだしもお金として支給してしまえば本当に子供の教育にまわるのかな?とても疑問です。

 

教育国債とは


「こども保険」とは別にもう一つ議論されているのが「教育国債」です。これは「こども保険」の対案のようなものみたいです。教育国債を簡単に言えば高校や大学の無償化する財源に国債を使いますよってものです。正直、こちらも違和感しか感じません。国債を発行するってことは将来へ先送りするだけなんですよね・・・まだ「こども保険」の方が財源が分かり易く先送りしない分良い制度だと思います。また、そもそも大学を無償化する必要は感じません。それよりは本当に勉強をかんばっているが経済的に困っている人に給付をする給付型奨学金の制度を拡充した方がいいと思います。またそれと合わせて大学行って遊んでしまうような人には支給しない、もしくは返金させるような仕組みも必要でしょうね。

 

「こども保険」の是非


小泉進次郎議員が言われる現状高齢者への手当が厚すぎるってのは全面的に賛成です。そもそも票集めのため選挙前にやる3万円高齢者へのバラマキとか意味がわかりません。(投票者に高齢者が多いため)。子育て世代への給付を増やすというのも賛成です。つまり、やろうとしていることには基本的には私も賛成です。しかし、どうしても気になるのが違和感のところに書いた「保険」という言葉を使って社会保険の一種にしようとしているところです。おそらくですが税金をあげる増税は国民の反発を受けやすい。一方、毎年少しずつ変わっているし複雑なのでわかりにくい社会保険に混ぜてしまえば反発少ないだろうという考えが見え隠れしている気もします。

やろうとしてる内容からすると素直に税金として徴収した方が納得性が高いですし、小泉進次郎議員なら発信力もありますので国民にちゃんと説明すれば納得してもらえると思うのです。

 

まとめ


「こども保険」というネーミングはミスリードになりますので絶対変えた方がいい。また、取り方も国民からは税金として、事業主からは子ども・子育て拠出金の増額として取ればいいと思うのです。給付方法も現金での支給でなくて現物支給なり教育に限定してほしいと思います。もっと言えばこのようなちまちました細かい制度を考えて人やお金を使うよりももっと単純にベーシックインカム的な方策を取っていくのが一番だと思いますが・・・。

 

読んで頂きありがとうございます。

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この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、金融系WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

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