最近、極端な思考を持つ人がかなり増えていると言われています。
その理由がSNSです。
あなたのSNSのタイムラインに流れてくる情報は本当に「世界のすべて」を映しているでしょうか?
実は、多くの人が気づかないうちに「自分と似た意見」ばかりに囲まれ、偏った情報環境に閉じこもっていることがあります。
これを「エコチェンバー現象」と呼びます。
今回はエコチェンバー現象の意味や仕組みをわかりやすく解説し、具体的な事例を挙げながら、そのリスクと私たちが取れる対策について詳しくお伝えします。
エコチェンバー現象とは?
エコチェンバー現象とは、特定の価値観や意見が、閉じたコミュニティ内で繰り返し反響し、強化されていく現象を指します。
たとえばSNSで、自分と似た意見を持つアカウントだけをフォローしていると、タイムラインには賛同意見ばかりが並びます。
これにより、あたかも「世の中の大多数がそう考えている」かのような錯覚を起こしやすくなります。
YouTubeのおすすめ機能でも同じような現象が起きます。
一度特定のジャンルの動画を視聴すると、似たような内容ばかりが表示されるようになり、ほかの視点に触れる機会が減っていくのです。
なぜ現代で広がりやすいのか
現代では、SNSやニュースアプリのアルゴリズムが私たちの興味関心に合わせて情報を選別してくれます。
これ自体は便利ですが、「あなたが好きそうな情報」ばかりが届くため、視野が狭まりやすいのです。
これを「フィルターバブル」と呼びます。
フィルターバブルは、検索エンジンやSNSの個別最適化の結果、異なる意見や情報が届かなくなる状態です。
結果としてデマでも「周りが言っているから本当だ」と錯覚しがちです。
たとえば、選挙期間中に特定の候補者を支持する投稿ばかりを「いいね」していると、その候補を批判する意見はほとんど目に入らなくなります。
そうなるとその候補者が圧倒的な勝利をする感覚を持ちます。
しかし、実際は違うと不正選挙だ。。。ってなってしまうのをよく見かけます。
実際に起きている事例
エコチェンバー現象やそれに関係したデマはここ数年社会問題といえるレベルで侵攻しています。
米国大統領選挙
エコチェンバー現象がよく言われるようになったのが米国の大統領選挙です。
Facebookを中心に、特定の候補を支持する情報ばかりが拡散され、フェイクニュースも広がりました。
結果、多くの人が偏った情報環境に置かれ、社会の分断が深まりました。
日本のコロナ禍情報
日本でも同様の現象がそこらで起こっています。
代表的なのが新型コロナでしょう。
SNS上で「マスク不要論」や「ワクチン陰謀論」が一部のコミュニティで繰り返しシェアされ、あたかも「それが正しい」と信じ込む人が増えました。
実際、ある調査では、Twitter(現在X)上で特定の陰謀論ハッシュタグをフォローしている人の約70%が他の情報源を見ていないことが分かっています。
エコチェンバー現象の恐ろしさとは
エコチェンバー現象が進むと、以下のようなリスクがあります。
- 偏った意見の強化:同じ意見が繰り返されることで、異論を受け入れにくくなります。
- 社会の分断:異なる立場の人を「理解できない存在」とみなし、対話が困難になります。
- 誤情報の拡散:事実かどうか確認されないまま、都合のよい情報だけが広まることで、誤った判断をする人が増えます。
これらは個人の認識だけでなく、企業活動や政治判断にも影響を及ぼし、経済的損失を招くことさえあります。
たとえば、最近でも特定の株式についてSNS上で過剰な買い煽りが起こり、多くの個人投資家が飛びついた結果、後に暴落して大きな損失を出す事例もありました。
私もXでは株関連の投稿をよく見かけますが、たしかに多くの方がその株について言及してたんですよ。
私たちができる対策
それではエコチェンバー現象への対策はどのようにしていけばよいのでしょうか?
情報源を増やす
SNSだけでなく、新聞や専門誌、海外メディアなど複数の情報源に触れる習慣をつけましょう。
ただし、最近はテレビや新聞などのオールドメディアも偏った情報を出すケースがあるので注意が必要です。
一次ソースを確認する
誰かがまとめた記事ではなく、元のデータや公式発表にあたることで、情報の正確性を確かめられます。
異なる意見をフォローする
自分と反対の立場の人をフォローしたり、異なる意見を意識的に読むことで、視野が広がります。
こうした小さな工夫が、あなたの情報環境を健全に保つ助けになります。
FAQ
よくある質問についてもみていきましょう。
エコチェンバー現象とフィルターバブルは同じですか?
かなり似ていますが、厳密には違います。
フィルターバブルは技術的なアルゴリズムによる情報の偏りを指し、エコチェンバーはコミュニティ内で意見が反響・強化される状態を指します。
どのSNSが一番エコチェンバー現象を起こしやすいですか?
特定のSNSというより、アルゴリズムでおすすめや表示されるものが決まるもの全般にリスクがあります。
Twitter(X)、Facebook、YouTube、tiktokなどが代表例です。
対策を続けるとどんな変化が見えますか?
視野が広がり、異なる意見を冷静に比較できるようになります。
その結果、仕事や投資の判断にもプラスの影響を与えるでしょう。
まとめ
今回は「エコチェンバー現象とは?SNS時代に潜む情報偏りのリスクと対策」と題してエコチェンバー現象について考えてみました。
エコチェンバー現象は、私たちが気づかないうちに視野を狭め、誤った判断へと導くリスクを持っています。
SNSやニュースアプリは便利ですが、アルゴリズム任せでは偏りやすいもの。
今日から、情報源を意識的に広げ、異なる意見にも耳を傾ける習慣を始めてみませんか?
それが、健全な情報社会を作る一歩になりますね。
エコチェンバー現象について詳しく知りたい方はこちらの本がおすすめですよ。