愛知県の産業廃棄物収集運搬業許可|経理審査で追加書類が必要な条件

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愛知県で経理審査で追加書類が必要な条件

産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、「車両や人員がそろっているか」だけでなく、

この事業をきちんと続けていけるだけの“お金の基盤”があるか

もチェックされます。これがいわゆる「経理的基礎」の審査です。

愛知県では、この経理的基礎について細かい基準を定めており、その内容によっては、決算書だけでは足りず

  • 中小企業診断士や公認会計士が作る「収支計画に基づく経営診断書」

といった追加書類の提出が必要になります。

この記事では、愛知県の審査基準(産業廃棄物収集運搬業・積替保管除く)をもとに、

  • どんな事業者が追加書類を求められるのか
  • 法人と個人事業主で何が違うのか

を、できるだけ専門用語をかみ砕いて整理していきます。

目次

愛知県の「経理審査」は何を見ているのか

愛知県の審査基準では、次のような考え方が示されています。

産業廃棄物の収集運搬を「的確」に、かつ「継続して」行うだけの経理的基礎があるか

つまり、

  • 今だけ何とか黒字、という“一発屋”ではなく
  • 数年単位でみて、無理のない経営になっているか
  • 借入や赤字が重なって、途中で事業が続けられなくなるリスクは高くないか

といった点を、決算書・申告書の数字から判断するイメージです。

このときの判断材料が、

  • 利益の状況(ここ数年、黒字なのか赤字なのか)
  • 自己資本比率(自分のお金と借金のバランス)
  • 流動比率(短期の支払いに耐えられるかどうか)
  • 債務超過かどうか(借金が資産を上回っていないか)

などです。

こうした数字を見て、

  • 問題なさそう → 決算書・申告書だけでOK
  • 少し危ない・説明が必要 → 「経営診断書などの追加書類も出してください」

というふうに分かれていきます。

なお、どういう場合に経営診断書などが必要となのかは県によってかなり異なります。

今回は愛知県の場合の判断材料を噛み砕いて説明していきます。

なお、岐阜県、三重県の場合は以下の記事をごらんください

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「追加書類」とは何か?(収支計画に基づく経営診断書)

愛知県の基準で出てくる追加書類の中心は、

収支計画に基づく経営診断書

というものです。

誰が作るのか

  • 中小企業診断士
  • または、公認会計士

が、今後5年間の事業の収支計画をもとに作成するものです。

何を書くのか(ざっくり)

  • 今の決算書の状態(赤字/債務超過など)の整理
  • 売上をどう増やし、経費をどう抑えていくのか
  • 借入の返済計画は現実的か
  • 5年以内に「健全な経営」に戻れる見通しがあるか

単に「がんばります」ではなく、

数字の根拠を伴った“回復ストーリー”を第三者の専門家に書いてもらうもの

だと考えるとイメージしやすいと思います。

法人(会社)で追加書類が必要になりやすいパターン

まずは、営業実績が3年以上ある法人の場合から見ていきます。

3年以上の会社に求められる「最低ライン」

愛知県の基準では、営業実績3年以上の法人について、

次のどれか1つは満たしてほしい、という“最低ライン”が置かれています。

  1. 直近3年の「経常利益+減価償却費」の平均が0以上
  2. 直近1年の「経常利益+減価償却費」が0以上
  3. 直近1年が債務超過になっていない(資産より負債の方が多い状態ではない)

ここに当てはまらないと、そもそも「経理的基礎あり」とは言えない、という扱いです。

減価償却をプラスするというのが、岐阜県など他の県との違いですのでお気をつけください。

そのうえで「追加書類が必要」となる代表的なケース

上の最低ラインはクリアしているけれど、数字の中身を見ると「このままだと少し危ないかもしれない」という会社については、経営診断書の提出が必要になります。

具体的には、次のようなパターンです。

パターン1:ここ3年ずっと赤字+自己資本比率がかなり低い

  • 直近3年の「経常利益+減価償却費」の平均がマイナス
  • 直近1年の「経常利益+減価償却費」もマイナス
  • 直近1年の自己資本比率が 0%以上10%未満

というように、

利益も出ておらず、自分のお金(自己資本)もかなり薄い状態

だと、診断書で今後の立て直し計画を示す必要があります。

パターン2:直近で黒字に戻ったが、まだ債務超過

  • 3年平均ではマイナス(赤字続き)
  • 直近1年は黒字に戻った
  • それでも、直近1年は債務超過(借金が資産を上回る)

というケースです。

動きとしては上向いているが、まだ財務の傷が深い

と判断されるため、黒字の継続や債務超過解消の見通しを診断書で示すことになります。

パターン3:直近で赤字転落+債務超過や自己資本比率の悪化

  • 3年平均ではプラスだが、直近1年だけ赤字
  • かつ、債務超過だったり、自己資本比率がマイナス30%を下回る
  • または、流動比率(短期の支払能力)が50%を切っている

など、「直近で大きく悪化した」パターンも、追加書類の対象になります。

パターン4:黒字は出ているが、借金や支払能力が不安

  • 3年平均も直近1年も黒字
  • しかし、債務超過だったり
  • 自己資本比率がマイナス30%未満
  • 流動比率が50%未満

といった場合も、「数字の裏側」を説明する必要があります。

個人事業主で追加書類が必要になりやすいパターン

次に、営業実績が3年以上ある個人の場合です。

個人に求められる「最低ライン」

愛知県の基準では、営業実績が3年以上ある個人事業主について、次のどちらかは満たしてほしいとしています。

  1. 直近の年で、資産の額が負債の額以上である
  2. 直近3年のうち、少なくとも1年は所得税を納付している

ざっくり言えば、

  • 借金が資産を大きく上回っていない
  • 3年のうちどこかで、税金を払う程度の利益は出ている

このどちらかが必要、というイメージです。

追加書類が必要になる代表的なケース

そのうえで、次の条件に当てはまると、経営診断書の提出が必要になります。

  • 営業実績3年以上
  • 直近の年では「資産 < 負債」(借金の方が多い)
  • 直近3年のうち、所得税を払った年がある

つまり、

ここ数年、ある程度は稼げて税金も払ってきたが、直近では借金の方が多い状態になってしまっている

という場合です。

このケースでは、

  • なぜ借金が増えたのか(設備投資なのか、赤字補填なのか)
  • 今後、どのように返済していくのか
  • 利益をどの程度出して、何年で持ち直すのか

といった点を、診断書でしっかり説明する必要があります。

営業実績が3年未満の場合(法人・個人共通)

設立・開業から3年たっていない法人・個人については、数字の良し悪しにかかわらず、一律で次のように定められています。

収支計画に基づく経営診断書を申請書に添付し、今後5年以内に健全な経営の軌道に乗ることが証明できること。

つまり、

  • 「決算が1期分しかない」
  • 「2期目で、まだ業績が安定していない」

といった“若い事業者”は、
追加書類が標準装備のイメージで考えておいた方がよい、ということです。

新型コロナの影響を踏まえた特例

さらに愛知県では、新型コロナの影響を踏まえた特例も設けています

産廃収集運搬業の更新申請に関して、

  • 先ほどの「最低ライン」にも当てはまらない法人・個人でも
  • その原因がコロナの直接・間接の影響による経営悪化であり
  • 経営診断書で今後5年以内の立て直しが示されている場合

には、「経理的基礎あり」と認める、という考え方です。

コロナで売上が一時的に落ち込んだ業者に対して、

「決算書の数字だけでは切り捨てない。
ちゃんとした回復計画があれば、追加書類を前提に評価します」

という緩和措置と理解しておくとよいでしょう。

実務でのポイント:早めに「追加書類前提」で動く

ここまでをまとめると、愛知県で追加書類(経営診断書)が必要になるのは、主に次のような事業者です。

  • 設立・開業から3年未満の法人・個人
  • 営業実績3年以上だが、
    • 赤字が続いている
    • 債務超過・自己資本比率が低い
    • 短期の支払能力(流動比率)が低い
    • 個人で、資産より負債の方が多く、過去3年のどこかで所得税を払っている

これらに1つでも心当たりがある場合は、

「うちは経営診断書が必要な側かもしれない」

と早めに想定して、準備を始めておくのがおすすめです。

相談のタイミング

  • 申請書類を作り始める段階で
  • 決算書・申告書一式を揃えて
  • 中小企業診断士や公認会計士に「愛知県の産廃許可用の診断書をお願いしたい」と伝える

という流れをイメージしてください。

事業者側で用意しておくと良い情報

  • 直近3年分の決算書・確定申告書
  • 主な取引先の状況(増えている/減っている)
  • トラック台数の増減予定、設備投資の計画
  • 今後5年間の売上の見込み(新規契約の予定など)
  • 既存借入の返済予定表(あれば)

こうした情報が揃っていると、診断書の作成がスムーズになり、
結果として許可申請全体の進行も早くなります。

まとめ

愛知県の産業廃棄物収集運搬業許可では、

  • 営業年数
  • 利益の状況
  • 自己資本比率・流動比率
  • 債務超過かどうか
  • 個人の場合は、資産と負債のバランスや所得税の納付状況

といった数字をもとに、「経理的基礎」があるかどうかが判断されます。

そのうえで、決算書だけでは説明しきれないケースについては、

中小企業診断士や公認会計士による「収支計画に基づく経営診断書」

という追加書類で、
「ちゃんと続けていける事業です」ということを示す、という仕組みになっています。

自社の決算が、

  • 赤字が続いている
  • 債務超過や自己資本比率の悪化が気になる
  • 開業してまだ3年たっていない

といった状態であれば、「追加書類が前提の申請になる」と考えて、早めに専門家へ相談しておくことが、スムーズな許可取得への近道になります。

なお、追加条件が必要となるケースなどは変更になることもありますので、必ず公式サイトで最新情報を確認するようにしましょう

愛知県公式サイト

本事務所でも経営診断書の作成を承っております。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

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